七峯の丘から

お宮の蟷螂 [令和6年7月26日]

「イキッてますねぇ」

「先祭の蟷螂山」
 昨日からの大雨で、山形県と秋田県ではお亡くなりになった方も出てしまいました。
 山形県では救助要請で向かったパトカーが水難に遭い、乗車していた警官2名と救助要請をした方も連絡が取れていないと言います。
 無事な発見を祈るほか有りませんが、二次災害も予見されます。捜索をしている方々の気持ちは如何ばかりか。
 東北と北陸は未だ梅雨が明けておりません。これからの降水も予報されていますので、改めてお気を付け戴きたく思います。
 それに引き替えとなります。関東から西の太平洋側では、今日も猛烈な暑さが続いており、社務所から御殿を往復しただけでも、額に汗が滲み出ます。
 朝拝時でも気温は結構ありましたが、早いうちに朝顔棚の水遣りを行ないました。
 植物の花って、水の力で咲く、水の勢いで咲くものが多く、それを考えると夕刻以降に水遣りをした方が良いのです。
 ところが、現在では夕刻が一番気温が高い事が多く、水をやっても熱せられたプランターの中で熱湯化してしまします。
 なので次善策として朝の水遣りで、朝顔に元気になって貰うわけですね。
 朝顔棚で気を付けている事がもう一つ有りまして、それは花殻を摘む事なんです。
 萎れた花弁は見た目にも良くないのですが、枯れるまでにもある程度の水を吸ってしまいます。
 そうなると今の時期のような場合、本来水を必要とする場所への給水が減るのです。
 なので、プランターへの水遣りの際に、見つけた花殻を摘むようにしています。
 その際、朝顔棚に寄ってきている虫との遭遇もあるんですよ。今朝はミンミンゼミとカマキリがいました。
 ミンミンゼミは成虫でして、お腹を振るわせて賑やかに鳴いておりましたよ。うるさいくらいに・笑
 カマキリは未だ小さく、どうでしょうか体長は5センチ有ったかな。なかなか良い目つきをしておりました。
 基本、生き餌を食べるカマキリ。動いていないものや死んでいるものは食べませんので、生き餌がいないか。いつもイキッた目つきをしているのです。
 カマキリ、漢字で書くと蟷螂と標します。読み方はカマキリともう一つ「とうろう」とも読むんです。
 先日齋行された京都八坂神社の祇園祭先祭では「蟷螂山・とうろうやま」という、昇き山の上に蟷螂を乗せた御所車が飾ってある山が有るんです。
 上に乗っている蟷螂の両手と背中の羽がからくりになっており、動く度に巡行中の沿道から拍手喝采となります。
 何故に祇園祭の山に蟷螂なのかと申しますと、以下のような話が残っていますので、少しご紹介しますね。
 昔の中国に斉という国が有りました。その君主である荘公がとある日に馬車で出掛けた際、その馬車の前で1匹の蟷螂が馬車を除けずに両手の斧を振りかざしていたと。
 その姿に、荘公は馬車の向きを変えさせ蟷螂の武勇を賞賛したのです。
 この話が日本に伝わり、現在の蟷螂山町に住んでいた公卿の四條?骼早iしじょうたかすけ)が武勇に優れていて「蟷螂の斧」の様で有ると、四條家の御所車に蟷螂の作り物を乗せて山鉾巡行に参加した、それが今の蟷螂山だと言われております。
 詳しくは蟷螂山のHPをご覧頂くとして、大人気の蟷螂山ですので、厄除の粽も直ぐに売り切れてしまい、今年は購入する事が出来ませんでした。
 それは残念ではありますが、我がお宮にも蟷螂山に負けない、元気な若い蟷螂がおりますので、害虫を食べて大活躍をして頂きましょう。
 因みに、カマキリの雄は雌に食べられるという話は有名ですが、何でもかんでも雄が食べられてしまうと言う事ではありませんで、食料が少なくなった秋口や、カマキリ自体の数が増えすぎて食料が足りなくなったときに雄が食べられるようです。
 男性の皆さん、少しは安心して頂きましたでしょうか。宮司も少し安心しました。

蟷螂山
https://tourouyama.jp/